
世界遺産検定2級を受けてみたいけど、いきなり受験しても大丈夫?
世界遺産検定2級ではどのような世界遺産を学ぶの?
などの疑問があるのではないでしょうか?
「世界遺産について勉強したい」「世界の歴史について詳しくなりたい」などの思いがある人なら、世界遺産検定が気になりますよね。
結論、日本の世界遺産や世界の有名な世界遺産について知りたいと人は、世界遺産検定2級を受けるのが良いでしょう。
ということで本記事では、以下のようなことについて解説しています。
ポイント
- 世界遺産検定の級による違い
- 世界遺産検定2級に合格するための勉強
- 世界遺産検定2級の難易度
僕自身も、世界遺産についての知識はほぼゼロという状態から1発で世界遺産検定2級に合格することができました。
そのため、以下では僕自身の受験体験も交えながら詳しく紹介しています。これから世界遺産検定2級を受けようとしている方は、ぜひ参考にしてください。
それでは見ていきましょう。
目次
世界遺産検定とは?検定の種類と受験資格について

世界遺産が好きな人なら、一度は受けてみたいのが世界遺産検定。しかし、世界遺産検定については詳しく知らないという人がほとんどでしょう。
そもそも世界遺産検定とは、「NPO法人世界遺産アカデミー」が主催している検定で、民間の資格試験です。
NPO法人世界遺産アカデミーの規定では、世界遺産検定は以下のように定義されています。
人類共通の財産・宝物である世界遺産を通して、国際的な教養を身に付け、持続可能な社会の発展に寄与する人材の育成を目指した検定です。
世界遺産検定公式HP:世界遺産検定とは
試験は2006年から開催され、これまで35万人以上が受験し20万人以上が認定されています。年に4回開催されており、受験者は小学生から90代までと幅広いのが特徴です。
以下の動画を見れば、3分で世界遺産検定の概要がつかめますので、ぜひ参考にしてください。
世界遺産検定の種類5つ
世界遺産検定には難易度に5つの種類があり、上からマイスター、1級、2級、3級、4級に分かれています。
3級や4級は試験範囲も狭く、しっかりと勉強すれば合格することができます。逆に、1級以上は非常に難しく、本腰を入れて必死に勉強しなければいけません。一言で言えば、オタクレベルです。
ちなみに、今回紹介する2級は「頑張れば合格できるが、覚えることが多い」というイメージが良いでしょう。1級はテキストが2冊もあるため別格ですが、2級でもかなり分厚いです。

おそらく、ほとんどの人がゼロの状態から覚えることになりますので、2級でもかなり頑張る必要があります。
また、2024年7月に「世界遺産検定準1級」が開催されますので、世界遺産検定2級の合格後に挑戦してみるのも良いでしょう。
世界遺産検定の受験資格
世界遺産検定には、受験する級によっては受験資格が必要になりますので注意です。
今回紹介する2級以下の試験は誰でも受験することができます。条件はありませんので、安心して2級に挑戦しましょう。
しかし、1級と新しく開設される準1級は2級に合格していることが受験資格となっています。また、マイスターは1級の合格が必要です。

皆さんが2級に合格しますと、次は準1級か1級に挑戦できるようになりますよ。
今回の受験ではおそらく問題ないと思いますが、今後2級よりも上の級を目指すという人は覚えておくと良いでしょう。
世界遺産検定2級の内容は?合格率はどのくらい?

ここでは、世界遺産検定2級の内容について、以下の5つを紹介します。
ポイント
- 世界遺産検定2級の詳細
- 世界遺産検定2級の学習内容
- 世界遺産検定2級の合格率
- 世界遺産検定2級の勉強時間
- 世界遺産検定2級のテキスト
他の級との比較もしていますので、受験する級で悩んでいる人は参考にしてください。
世界遺産検定2級の詳細
まず、世界遺産検定2級の詳細についてです。主な内容は以下のようになります。
項目 | 詳細 |
---|---|
受験料 | 公開会場:6,500円 CBT試験:7,300円 |
試験時間 | 60分 |
問題数 | 60問 |
合格基準 | 100点満点中60点以上 |
解答形式 | 選択式(マークシート) |
試験場所 | 公開会場:約20か所(参考:公開会場一覧) CBT試験:各都道府県に約5~40か所(参考:CBTS受験者専用サイト) |
日本の全遺産と世界の有名な遺産300件が試験範囲となっています。試験時間は60分、全てマークシートによる選択式です。
他の級も同じマークシートでの受験スタイルとなっていますが、マイスターだけ記述式の問題となっています。
また、公開会場は全国に20か所ほどしかありませんので、地方に住んでいる方は受験が難しい可能性があります。しかし、CBT試験ならどの地域にもありますので、自分が住んでいる地域を確認してみると良いでしょう。

2級を受ける場合は問題ありませんが、1級やマイスターは受験開催頻度が少ないので、受験する際は注意しましょう。
世界遺産検定2級の学習内容
次に、世界遺産検定2級の学習内容です。日本の全遺産と世界の有名な遺産300件が試験範囲となっています。
勉強する範囲と出題率は以下のようになります。
学習内容 | 出題率 |
---|---|
基礎知識 | 20% |
日本の遺産 | 25% |
世界の自然遺産 | 10% |
世界の文化遺産 | 35% |
その他 | 10% |
「日本の遺産」は数が少ないですが、全体の25%を占めるのが特徴となっています。その上、日本の世界遺産なら知っていることも多いので、得点を稼ぎやすい項目です。
また、「世界の文化遺産」は全体の35%を占めるのに対し、「世界の自然遺産」は全体の10%しか占めません。項目ごとに出題率が異なりますので、どの項目を重点的に勉強するのかがカギです。
世界遺産検定2級の合格率
世界遺産検定2級の合格率は以下のようになります。
実施年 | 受験者数 | 認定者数 | 認定率 |
---|---|---|---|
2022年 | 9,069 | 5,206 | 57.4% |
2021年 | 13,735 | 8,117 | 59.1% |
2019年 | 10,198 | 5,435 | 53.3% |
実施年や開催時期によって多少の上下はありますが、おおよそ50~60%ほどの合格率となっています。
資格試験の難易度はそこまで高くありません。イメージとして、他の資格試験で同等の合格率には以下のようなものがありますので、参考にしてください。
他の資格試験の合格率について
- ITパスポート:約50~60%
- 衛生管理士:約50%
- 日商簿記3級:約40~50%
- 基本情報技術者:約40~50%
世界遺産検定2級の勉強時間
世界遺産検定2級の勉強時間は人によって異なります。もともとの知識量も違いますし、暗記が得意な人もいればそうでない人もいます。
また、どのくらい覚えたいのかも人によって変わりますので、以下のように分けて解説します。
ポイント
- 歴史の背景から完璧に覚えたい人
- とりあえず試験に合格したい人
- ある程度知識がある人
歴史の背景から完璧に覚えたい人
まず、歴史の背景から完璧に覚えたい人は、試験の2~3か月前からテキストに目を通すようにしましょう。移動時間などの空いた時間で概要を覚えるイメージです。
そして、試験1か月前から過去問に挑戦です。また、過去問で間違えたところを中心に徹底的に覚えていきます。
合計の学習時間としては、200~300時間ほどでしょう。
ちなみに、僕は世界遺産のことを詳しく知りたかったので、上記の方法で取り組みました。おかげさまで、世界遺産についてちょっとだけ自慢できるくらいにはなりました。

おそらく勉強し過ぎですが、世界遺産が好きなら苦にはならないでしょう。
とりあえず試験に合格したい人
とりあえず試験に合格したいという人は、1か月前からでも間に合います。
世界遺産検定2級のテキストは分厚く覚えるのが大変そうに思えますが、実は試験の出題方法が決まっています。以下がポイントになります。
ポイント
- 試験に出やすいのは赤字と太文字の部分
- テキストの内容がそのまま出ることが多い
まず、試験に出やすいのは赤字と太字の部分だけです。つまり、赤字と太字の部分だけを集中的に暗記すれば覚える時間は短縮されます。
また、テキストの内容がそのまま出る割合も高いです。完璧に暗記せずとも、なんとなくの雰囲気をつかんでおくだけでもある程度は答えられるでしょう。
そのため、学習時間は100時間もかかりません。人によっては50時間ほどで合格できます。

試験に合格することだけが目的なら、勉強時間はかなり減ります。
ある程度知識がある人
例えば、以前に3級の受験経験がある人や、学校で世界史を専攻していたような人です。世界遺産に関する知識が備わっておれば、その分勉強時間は減ります。
とりあえず全体を流して読んでみる。分からないところや自信のないところだけを覚える。あとは過去問で調整という感じで大丈夫でしょう。
そのため、勉強時間としては20~30時間ほど、試験2~3週間前からの勉強でも大丈夫です。ただし、油断だけは厳禁です。
世界遺産検定2級のテキスト
最後に、世界遺産検定2級のテキストは以下の2つです。
世界遺産検定2級のテキスト
詳しく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト
世界遺産検定公式過去問題集1・2級
詳しく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト
世界遺産検定2級の公式テキストになります。中身は学校の教科書のような感じです。
世界遺産検定2級で出題される世界遺産や、歴史などについて紹介されています。
この本が無いと何もできませんので、中古でも良いのでとりあえず買いましょう。
世界遺産検定公式過去問題集1・2級
こちらの教材は過去問となっており、本番の試験と同じ形式の問題がたくさん用意されています。
1級と2級が一つの過去問にまとめて掲載されており、それぞれ過去2年分の問題があります。
しかし、解くのは2級だけで大丈夫です。1級もやったほうが良いかなと思って取り組んでみたのですが、内容が全然違うので全くできません。自信を無くすだけですので、2級に専念しましょう。

基本の勉強は公式テキストです。過去問は実力チェックくらいの感覚で使いましょう。
世界遺産検定2級に一発合格するためのコツ3つ

世界遺産検定2級は、しっかり勉強すれば合格できます。
しかし、中には少しでも時間をかけずに合格したいという人もいるでしょう。また、勉強に使える時間が少ないから効率的に取り組みたい人もいるはずです。
その場合は、以下に学習のコツ3つを紹介していますので、ぜひ取り入れてみてください。
ポイント
- 「基礎知識」「日本の世界遺産」「世界の自然遺産」を集中的に学ぶ
- 基本は太字と赤字を丸暗記
- 黙読がおすすめ
「基礎知識」「日本の世界遺産」「世界の自然遺産」を集中的に学ぶ
記事の前半でも、世界遺産検定2級は項目ごとに出題率が異なるということを紹介しました。繰り返しになりますが、以下のようです。
項目ごとの出題率
- 基礎知識:20%
- 日本の遺産:25%
- 世界の自然遺産:10%
- 世界の文化遺産:35%
- その他:10%
この割合だけを見ると「世界の文化遺産」を勉強するのが効率的だと思われますが、違います。「世界の文化遺産」は覚える量が多いため、効率が悪いです。
逆に、「基礎知識」や「日本の遺産」は両方合わせても「世界の文化遺産」よりも量が少ないです。そして、全体に占める割合は45%もあります。
「世界の自然遺産」も同様です。こちらは全体の10%しか占めませんが、母数は少ないので覚えやすいです。
僕は万遍なく勉強しましたが、特に「日本の遺産」の出題率が高かったので、もう少し力を入れておくべきだったと後悔しています。

効率良く勉強したい人には、「基礎知識」「日本の世界遺産」「世界の自然遺産」を重点的に覚えることをおすすめします。
基本は太字と赤字を丸暗記
基本は太字と赤字を丸暗記する勢いで覚えていきましょう。
世界遺産検定のテキストを見ると、かなり詳しく各世界遺産について記されています。しかし、出題されやすいのは太字と赤字の部分です。
僕は「他の部分から問題が出たら答えられないから、全部覚えよう」と思っていましたが、丁寧に太字と赤字の部分が出題されます。
もちろん例外もありますが、効率的に勉強したいなら優先すべきは太字と赤字の部分です。
黙読がおすすめ
最後は黙読です。
僕は「テキストと本番では文脈が違うから、丸暗記しても意味がないよな」と思っていましたが、そのまま出ます。問題によっては過去問と選択肢の順番まで同じです。
つまり、テキストを黙読して全体の概要をつかんでおけば、完璧に覚えてなくても答えられる問題があります。
重点的に覚えるのは太字と赤字の部分です。しかし、全体の雰囲気も頭の片隅に入れておけば、より合格に近づきます。

各世界遺産の特徴をぼんやりと覚えておくと良いでしょう。
世界遺産検定2級の具体的な勉強手順5つ

ここでは、世界遺産検定2級の具体的な勉強手順5つについて紹介します。
以下の流れに沿って学習を進めていきましょう。
勉強手順
- 過去問をパラパラと読んでみる
- 「基礎知識」と「日本の世界遺産」を丸暗記
- 「世界の自然遺産」に着手
- 「世界の文化遺産」は太字や赤文字中心で勉強
- 過去問にチャレンジ
過去問をパラパラと読んでみる
まずは過去問をパラパラと読んでみましょう。
いきなり解いても良いですが、おそらく全くわからずやる気がなくなります。やる気がなくなると進まなくなりますので、目を通すくらいで良いです。
「こんな感じで問題が出題されるのか」ということをつかんでおきましょう。
余裕があれば、テキストと過去問を照らし合わせてください。どの問題がどのように出題されるのかが分かるようになります。

問題の傾向や出題のされ方を把握していきましょう。「私でも頑張ればなんとかなるだろう」と自信が付けばOKです。
「基礎知識」と「日本の世界遺産」を丸暗記
出題割合が高く、学習量も少ない「基礎知識」と「日本の世界遺産」を丸暗記します。
これらの範囲は点数を稼ぎやすいです。重要な部分だけでなく、「なぜ世界遺産になったのか」「どのような歴史があるのか」など答えられるようにしましょう。
自分で世界遺産の解説ができるくらい理解できれば、周りに大きくリードします。
「世界の自然遺産」に着手
「世界の自然遺産」は出題率が10%と低いですが、量が少ないため覚えやすいです。
世界遺産ごとの特徴や、相違点などを答えられるようになりましょう。
覚え方としては、「基礎知識」と「日本の世界遺産」と同様に丸暗記するくらいが理想です。
「世界の文化遺産」は太字や赤文字中心で勉強
「世界の文化遺産」も全て覚えたほうが良いですが、量が多いのでなかなか覚えにくいです。
そのため、太字や赤文字を中心に覚えていくと良いでしょう。完璧を求めるのではなく、5割ほどの正答率を目指すのが効率的です。
時間に余裕があれば、黙読して全体像を把握しましょう。正答率が7割くらいまで上がります。

中途半端に覚えようとしてすぐに忘れるのが最悪です。
太字や赤字だけでも良いので、覚えると決めたら必ず覚えましょう。
過去問にチャレンジ
一通りテキストでの学習が終わったら過去問にチャレンジしましょう。おそらくですが、5割、6割くらいの正答率になるでしょう。
合格ラインは正答率60%ですので、4割、5割くらいの得点率の場合は間違えたところを中心に復習しましょう。2回目には合格ラインに達するはずです。
逆に、7割以上取れていたら問題ないでしょう。本番の緊張や新しい問題で正答率は下がる可能性はありますが、それでも合格ラインには達するでしょう。

やる気がある人は8割、9割と目指して頑張ってください。とりあえず合格したい人は、正答率7割が一つの目安になります。参考にして、頑張っていきましょう!
まとめ:世界遺産検定2級を楽しく勉強しよう

本記事では、世界遺産検定2級の試験内容やおすすめの勉強法について紹介しました。
結論、世界遺産検定2級はしっかり勉強すれば合格できる検定ですが、覚えることは多いです。そのため、学習のコツなどをつかんで効率的に勉強すれば合格しやすくなります。
復習ですが、世界遺産検定2級のコツは以下のようになります。
ポイント
- 「基礎知識」「日本の世界遺産」「世界の自然遺産」を集中的に学ぶ
- 基本は太字と赤字を丸暗記
- 黙読がおすすめ
合格ラインも正答率60%ですので、完璧に覚える必要はありません。取るべき問題を落とさないことが重要です。
ただし、世界遺産検定を受ける人は、何かしら「世界遺産が好き」「世界遺産について詳しくなりたい」などの思いがあるはずです。僕もあなたと同じでした。
ですので、どうせ世界遺産検定を受けるなら楽しみながら勉強していきましょう。「覚えないと!」と焦って勉強するよりも「こんな世界遺産があるのか!」と楽しんだ方が得です。
ぜひ、楽しみながら世界遺産の勉強をして、世界遺産検定2級に合格してください。そして、友達か家族に自慢しちゃいましょう!